その電話、出て大丈夫?
知らない番号からの着信、その裏に潜む危険から身を守る方法
この着信は発信者番号(Caller ID)スプーフィング技術を利用した詐欺的な電話であると断定されます。
急増する「国際ワン切り詐欺」の手口
最近、「+1」などから始まる見慣れない国際電話番号からの着信が問題になっています。これらは応答したり、かけ直したりすると高額な料金を請求される詐欺の一種です。特に「9を押して転送」のように、特定の操作を要求する手口には注意が必要です。
偽装された市外局番の例
+1 (811)
※「811」は北米の有効な市外局番ではありません。
アメリカおよびカナダにおいて、811は地理的な市外局番ではありません。これは、緊急通報用の911と同様に、特定の目的のために全国的に指定された3桁の特殊番号(N11コード)です。その目的は「Call Before You Dig(掘削作業前の連絡)」サービスであり、地面を掘る前に電話をかけることで、地下に埋設されたガス管や水道管、通信ケーブルといったインフラ設備の位置を確認するための、無料かつ重要な安全サービスです 。
技術的メカニズム:発信者番号スプーフィング
このような偽装を可能にする技術が「発信者番号スプーフィング」です。VoIP(Voice over IP)などの現代的な通信技術を用いることで、発信者は意図的に偽の発信者番号情報を送信することができます。これにより、例えばアジアにいる詐欺師が、あたかもアメリカのイリノイ州にある学校から電話をかけているかのように見せかけることが可能になるのです。
「9を押す」詐欺の仕組み
① 詐欺師が偽装番号で発信
ターゲットの電話に着信履歴を残す
② 自動音声が応答を指示
「詳細は9番を押してください」などと案内
③ ユーザーが「9」を押す
指示に従ってボタンを操作してしまう
④ 高額な国際番号へ転送
通話が引き延ばされ、高額な料金が発生
最強の防御策:iPhone標準機能
最も簡単で効果的な対策は、iPhoneに標準搭載されている「不明な発信者を消音」機能をオンにすることです。これにより、連絡先に登録されていない番号からの着信は通知されず、自動的に留守番電話に送られます。

この設定だけで多くの迷惑電話を遮断できます。
設定は3ステップで完了
- ❶
「設定」アプリを開く
ホーム画面から歯車のアイコンをタップします。
- ❷
「電話」を選択
一覧から「電話」の項目を探してタップします。
- ❸
「不明な発信者を消音」をオン
スイッチをタップして緑色にすれば設定完了です。
様々な対策方法の比較
iPhoneの標準機能以外にも、携帯キャリアのサービスや専門アプリを利用する方法があります。それぞれに長所と短所があるため、自分に合った方法を選びましょう。

被害に遭わないための3つのルール
📞
かけ直さない
知らない国際番号には絶対かけ直さないこと。着信履歴は無視しましょう。
🚫
操作しない
自動音声の指示に従ってボタンを押さないこと。すぐに電話を切りましょう。
⚙
設定を見直す
「不明な発信者を消音」を有効にして、迷惑電話の着信自体を防ぎましょう。