2025年10月に予定されている Windows 10 のサポート終了にともない、Windows 11 への移行に関する問い合わせが増えています。アップグレード時の画面表示も以前とは変更されています。マイクロソフトのサーバー負荷も考慮し、できるだけ早めに移行作業を進めることをおすすめします。
移行手順は以下の通りです。
現行システムのバックアップ
1. Windows 起動用ディスクを USBメモリ(64GB 推奨)に作成します。
2. SSDやHDDを対象に、好みのバックアップソフトを使ってシステム全体をバックアップします。
移行可能かの確認
「Windows 更新」画面の右側に、移行が可能かどうかの表示があります。
移行可能と表示されている場合は、そのまま「移行」ボタンを押すと、30分〜1時間程度でアップグレードが完了します。
「移行できません」と表示される場合は、PC正常性チェックを実施し、原因を取り除く必要があります。
PC正常性チェック
PC正常性チェックアプリのダウンロード方法
ダウンロードされるファイル名は WindowsPCHealthCheckSetup.msi
です。
ダウンロード後、保存先フォルダからファイルを開き、ダブルクリックでインストールを開始します。使用許諾契約に同意し、インストール先フォルダを選択する画面が表示されますが、特別な理由がなければデフォルトのまま進めてください。
アプリの起動と初期設定
インストール完了後、デスクトップにショートカットが作成され、スタートメニューからも「PC正常性チェック」を起動できます。初回起動時には概要説明と簡単なガイドが表示されます。
メイン画面はシンプルで、中央に「今すぐチェック」ボタンが配置されています。このボタンをクリックするだけで診断が始まります。
診断の流れ
「今すぐチェック」をクリックすると、PCのハードウェアやシステム設定を1〜2分ほどかけてスキャンします。主な確認項目は以下の通りです。
- プロセッサ:第8世代以降の Intel Core または AMD Ryzen 2000 シリーズ以降かどうか
- メモリ:最低 4GB(推奨 8GB 以上)が搭載されているか
- ストレージ:64GB 以上の空き容量があるか
- UEFI ファームウェアと Secure Boot 機能の対応状況
- TPM 2.0 チップの搭載状況(必須)
診断結果と対応方法
要件を満たしていれば、緑色のチェックマークとともに「このPCでWindows 11を実行できます」と表示され、アップグレード可能です。
要件を満たさない場合は、不適合な項目が具体的に表示されます。例として、TPM 2.0 が無効なら BIOS/UEFI で有効化する方法が案内されます。プロセッサが非対応なら代替案や今後のサポート情報が提示されることもあります。
トラブルシューティング
不適合があっても、多くは解決可能です。
- TPM が無効 → BIOS で有効化
- Secure Boot 無効 → UEFI 設定で有効化
- メモリ不足 → RAM を増設
その他の注意点
多くの問題は設定変更で解決できますが、場合によってはパソコンの買い替えが必要となることもあります。移行作業は余裕を持って早めに行うことをおすすめします。