生成AI

初心者でもできるRAG(Retrieval-Augmented Generation)

検索拡張生成(Retrieval-Augmented Generation)を簡単に始めるには、やはり DIFYがオススメです。

RAGとは?

RAG(Retrieval-Augmented Generation 検索拡張生成)は、大規模言語モデル(LLM)を外部の情報源と連携させ、より正確で最新の回答を生成するための技術です。従来のAIだけでは最新情報への対応や専門知識の提供が難しい場合でも、RAGを使うことで自社データや専門文書の内容を基にした回答が可能になります。

クラウドサービス/SaaS(管理が簡単なもの)

Microsoft Azure OpenAI Service

★★★★☆

特徴: Azure AI Searchと連携したRAG構築が可能で、GUIベースでの設定が充実

日本語対応: 良好(日本語対応のモデルやアナライザーが利用可能)

価格: 従量課金制(OpenAIモデル利用料+検索サービス料)

参考資料: 世界一やさしいRAG構築入門

Amazon Bedrock

★★★★☆

特徴: ナレッジベース機能を使ったRAG構築が簡単で、AWSの他サービスとの連携が容易

日本語対応: 良好(日本語ドキュメント対応)

価格: 従量課金制(基盤モデル利用料+ナレッジベース料金)

参考資料: AWSが推奨するRAGを体験するハンズオン

Google Vertex AI

★★★☆☆

特徴: Vertex AI Search、RAG Engineなどの専用機能が利用可能

日本語対応: 良好

価格: 従量課金制(Geminiモデル利用料+検索サービス料)

参考資料: Vertex AI SearchとGeminiを活用してRAGの構築

Pinecone

★★★☆☆

特徴: 専用のベクトルデータベースサービスで、スケーラビリティに優れている

日本語対応: 対応(多言語サポート)

価格: 無料枠あり+従量課金制

参考資料: ベクトルDBの比較表

ノーコード/ローコードツール

Dify

★★★★★

特徴: オープンソースのノーコードLLMアプリ開発ツール、RAG機能も備える

日本語対応: 対応

価格: オープンソース(無料)、クラウドサービス版もあり

参考資料: ノーコードLLMアプリ開発ツール「Dify」完全ガイド

Dataiku

★★★★☆

特徴: GUIベースでRAGを含むAI/MLワークフローを構築可能

日本語対応: 一部対応

価格: 有料(要問い合わせ)、無料トライアルあり

参考資料: 非エンジニアがGUIツールでRAGを実装してみた

Coze

★★★★☆

特徴: チャットボット特化のノーコード開発ツール、RAGも実装可能

日本語対応: 対応

価格: 無料枠あり、有料プランも用意

参考資料: 生成AIノーコードツール全6種を徹底比較

オープンソースフレームワーク

LangChain

★★★☆☆

特徴: 最も人気のあるLLM開発フレームワークで、RAG実装のための豊富なコンポーネントを提供

日本語対応: 対応(多言語サポート)

価格: オープンソース(無料)

参考資料: LangChainとLangGraphによるRAG・AIエージェント[実践]入門

LlamaIndex

★★★☆☆

特徴: データ接続に特化したLLMフレームワーク、RAGのための組み込み機能が豊富

日本語対応: 対応

価格: オープンソース(無料)

参考資料: RAGフレームワーク LlamaIndex の概要を整理してみる

RAGFlow

★★★☆☆

特徴: RAG特化型のオープンソースエンジン

日本語対応: 対応

価格: オープンソース(無料)

参考資料: オープンソースのRAGアプリ「RAGFlow」を試す

ベクトルデータベース(RAG実装の要素技術)

ChromaDB

★★★★☆

特徴: オープンソースのベクトルデータベース、シンプルで始めやすい

日本語対応: 対応(多言語サポート)

価格: オープンソース(無料)

参考資料: 2024年に試すべきベクターデータベース トップ5

Weaviate

★★★☆☆

特徴: オープンソースのベクトルデータベース、GraphQLインターフェースを持つ

日本語対応: 対応

価格: オープンソース(無料)、クラウドサービス版も提供

参考資料: ベクトルデータベースの比較

pgvector

★★★☆☆

特徴: PostgreSQLの拡張機能としてのベクトルデータベース

日本語対応: 対応

価格: オープンソース(無料)

参考資料: 【徹底比較】無料ベクトルDB比較

セルフホスト/ローカルRAGソリューション

Ollama

★★★☆☆

特徴: ローカルでLLMを実行するためのツール、RAG実装と組み合わせ可能

日本語対応: 対応(日本語モデルもサポート)

価格: オープンソース(無料)

参考資料: ローカルLLMでRAG構築:ゼロからの挑戦

RAG-SaaS

★★★☆☆

特徴: セルフホスト可能なRAGソリューション

日本語対応: 対応

価格: オープンソース(無料)

参考資料: オープンソースのRAGソリューション「RAG-SaaS」を試す

入門向けチュートリアル・ハンズオン

AWS Bedrock RAGハンズオン 初級

特徴: Amazon BedrockとSlackを連携させたRAGシステムを1時間で構築

参考資料: 【生成AI初心者大歓迎】1時間でRAG on AWSを作る!

Azure OpenAI RAGハンズオン 初級~中級

特徴: Azure OpenAIとLangChainを使用したRAGシステム構築

参考資料: 【今更聞けない!?】Azure OpenAIとLangChainで始める!RAG入門!

Dify RAGチュートリアル 初級

特徴: ノーコードでのRAGシステム構築

参考資料: 【無料】1時間で駆け抜けるノーコードAIアプリDifyでのRAG開発

RAG実装のステップ

1. データの準備

質問応答に使用するドキュメントやデータを用意します。PDFファイル、Webページ、社内ドキュメントなど様々な形式が利用可能です。

2. データの分割

長いテキストを適切なサイズのチャンク(断片)に分割します。これにより、必要な情報部分のみを検索して利用できるようになります。

3. ベクトル化

テキストチャンクをベクトル(数値表現)に変換します。これはエンべディングモデルを使用して行います。

4. ベクトルデータベースの構築

ベクトル化したデータをベクトルデータベースに格納します。検索時にはここからデータを取得します。

5. 検索システムの構築

ユーザーの質問に関連するテキストをベクトルデータベースから検索するシステムを構築します。

6. LLMとの統合

検索結果をプロンプトに追加してLLMに渡し、正確な回答を生成します。

初心者向けRAG選択のポイント

技術スキルに合わせた選択

プログラミング経験がない場合はDifyなどのノーコードツールが適しています。Python経験者であればLangChainやLlamaIndexが選択肢に入ります。

コスト

予算に応じてオープンソースかクラウドサービスを選択しましょう。無料で始められるものも多数あります。

データの機密性

機密データを扱う場合はセルフホストソリューションを検討すると良いでしょう。自社サーバーやローカル環境での実行が可能です。

スケーラビリティ

将来的な拡張性を考慮した選択が重要です。小規模から始めて、必要に応じて拡張できるソリューションを選びましょう。

日本語サポート

日本語ドキュメントを扱う場合は日本語対応の良いソリューションを選択しましょう。特に分かち書きや形態素解析の対応が重要です。

統合性

既存のシステムやワークフローとの統合が必要な場合は、APIやプラグインが充実したソリューションを選びましょう。

まとめ

初心者でもRAGシステムを構築できるツールやサービスは多数存在します。プログラミングスキルや予算、データのプライバシー要件に応じて、最適なソリューションを選択することが重要です。

Difyのようなノーコードツールは特にプログラミング知識のない初心者にとって良い選択肢となり、クラウドサービスではMicrosoft AzureやAWS Bedrockがわかりやすいインターフェースを提供しています。

オープンソースフレームワークに挑戦したい場合は、LangChainやLlamaIndexがよく整備されたドキュメントと豊富なサンプルコードを提供しており、学習の入り口として適しています。まずは小さなプロジェクトから始めて、徐々にスキルを高めていくことをおすすめします。

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