インターネット速度を改善しようとLANケーブルの購入を検討する際、「CAT8なら40Gbpsだから最速?」と考えがちですが、実は一般家庭では「CAT6A」が最適解です。
LANケーブル規格比較表
まず、各カテゴリーの性能を確認しましょう。
| カテゴリー | 最大速度 | 伝送帯域 |
|---|---|---|
| CAT5 | 100Mbps | 100MHz |
| CAT5E | 1Gbps | 100MHz |
| CAT6 | 1Gbps | 250MHz |
| CAT6A | 10Gbps | 500MHz |
| CAT7 | 10Gbps | 600MHz |
| CAT7A | 10Gbps | 1000MHz |
| CAT8 | 40Gbps | 2000MHz |
一見すると「CAT8が最強」に見えますが、実際の家庭環境では性能を発揮できません。
なぜCAT7・CAT8は一般家庭に向かないのか?
❌ 理由①:通信速度のボトルネックは「回線契約」にある
インターネットの速度は契約速度に制限されます。
実例シミュレーション
契約回線: 1Gbps ← ここが限界
ルーター: 1Gbps対応
PC: 1Gbps対応
ケーブル: 40Gbps対応(CAT8)
───────────────────
結果: 1Gbps(ケーブルの性能は余るだけ)
たとえ40Gbps対応のCAT8ケーブルを使用しても、光回線契約が1Gbpsなら最高速度は1Gbps止まりです。高速道路(ケーブル)がいくら広くても、入口(回線契約)が狭ければ意味がありません。
❌ 理由②:CAT7以上は「シールド構造」で家庭用機器と相性が悪い
これが最も重要な推奨しない理由です。
| ケーブル種類 | 構造 | 対象環境 |
|---|---|---|
| CAT6A以下 | UTP(非シールド) | 一般家庭 |
| CAT7以上 | STP(金属シールド) | 業務用サーバー・工場 |
ノイズ問題の発生メカニズム
CAT7やCAT8は、ケーブル内部が金属箔でシールドされています。この構造は業務用機器の電磁ノイズを防ぐために設計されていますが、性能を発揮するには:
- ルーター・PC側がアース(接地)処理された業務用機器である必要がある
- 接続端子が金属製のシールドコネクタである必要がある
一般家庭用ルーター(プラスチック製のRJ-45ポート)にCAT7/8を接続すると:
- シールド部分に溜まった電気ノイズの逃げ場がなくなる
- かえってノイズが発生し、通信速度が低下
- 接続が不安定になり、切断が頻発する
❌ 理由③:ケーブルが硬く、配線が困難
CAT8はノイズ対策のため非常に太く硬い構造です。
- 家具の裏を通す際に曲がらない
- 壁沿いの配線が難しい
- コネクタ部分に負荷がかかり破損しやすい
一般家庭の配線環境には明らかにオーバースペックです。
【結論】CAT6Aが最適な理由
✅ CAT6Aの3大メリット
1. 将来性が高い
- 10Gbps対応のため、今後回線を10Gbpsにアップグレードしても買い替え不要
- 2026年現在、10Gbps回線の普及が進んでおり、長期投資として最適
2. ノイズ耐性が十分
- 伝送帯域500MHzで家庭内の電磁ノイズを十分にカバー
- UTP構造なので一般家庭用機器と完全互換
3. コストパフォーマンスが最高
- CAT7/8より安価
- CAT6より高性能
- 価格と性能のバランスが最良
契約回線別の推奨ケーブル
| 契約速度 | 推奨カテゴリー | 理由 |
|---|---|---|
| 1Gbps以下 | CAT6 / CAT6A | CAT6でも十分だが、将来性を考えるとCAT6A |
| 10Gbps | CAT6A(必須) | 10Gbps性能を完全発揮 |
| 業務用・特殊環境 | CAT7以上 | アース処理された機器が前提 |
現在CAT5eを使っている方へ
CAT5eでも1Gbps契約なら性能をフルに発揮できます。ただし、買い替えるなら:
買い替えタイミング
- ケーブルが劣化している(10年以上使用)
- 回線を10Gbpsにアップグレード予定
- より安定した通信を求める
このような場合は「CAT6A」を選択することで、トラブルが少なく、長期間使用できます。
まとめ:迷ったら「CAT6A」が正解
| 項目 | CAT6A | CAT7/8 |
|---|---|---|
| 家庭環境での速度 | ◎ 10Gbpsまで対応 | △ 性能を発揮できない |
| ノイズ対策 | ◎ 家庭用機器と相性良 | × 逆にノイズ発生リスク |
| 配線のしやすさ | ◎ 柔軟 | × 硬く取り回し困難 |
| コスパ | ◎ 最良 | △ 高価で性能が余る |
| 将来性 | ◎ 10Gbps時代に対応 | △ 家庭では不要 |
CAT6Aは、現在の1Gbps環境でも快適に使え、将来10Gbps回線にアップグレードしてもそのまま使える「ちょうどいい高性能」です。
高性能に見えるCAT7やCAT8は、家庭用としては性能を発揮できないばかりか、トラブルの原因になります。2026年の一般家庭において、最もコストパフォーマンスが良く、トラブルが少ない賢い選択は「CAT6A」です。