ソフトバンク光を使っているのに、IPアドレスを調べたら「162.120.184.20」「〜.fetch.tunnel.googlezip.net」という見慣れない表示が出てきた。別の日に調べると、今度は「softbank〜.bbtec.net」というソフトバンクらしい表示になる。
「回線を2つ使っているのか?」「誰かに通信を中継されているのでは?」と不安になった方もいるのではないでしょうか。実は先日、私自身がまさにこの状態に出くわしました。
結論から言うと、これはGoogle Chromeの標準機能によるもので、ウイルスでも、誰かにデータをのぞかれているわけでもありません。今回は、その正体と仕組み、気になる場合の確認方法と設定を解説します。
この記事でわかること
- 「〜.fetch.tunnel.googlezip.net」というIPの正体
- ソフトバンク光なのにGoogleのIPが表示される理由
- Edgeではソフトバンク光のIPしか出ない理由
- ウイルスやのぞき見ではないと言える根拠
- 自分の本当のIPを確認する方法と、機能を止める設定
- サイト運営者・Web担当者が知っておきたい影響
先に結論
- 162.120.184.20(googlezip.net)はソフトバンクの回線ではなく、Googleの中継サーバー
- Chromeが検索結果のページを先読みするときだけ使われる仕組みで、回線は1本のまま
- ウイルス感染や第三者ののぞき見ではない。気になるなら設定でオフにできる


目次
1. GoogleのIPが出たのは、ソフトバンク光の回線ではないから
今回表示された2つのIPアドレスは、持ち主がまったく違います。
| IPアドレス | ホスト名 | 持ち主 |
|---|---|---|
| 126.109.xxx.xxx | softbank126109xxxxxx.bbtec.net | ソフトバンク(自宅・事務所の光回線) |
| 162.120.184.20 | 162-120-184-20.v4.fetch.tunnel.googlezip.net | Google(中継サーバー) |
ソフトバンク光の回線を表すのは「bbtec.net」のほうだけです。bbtec.netはソフトバンクがプロバイダとして使っているドメインで、これが本来の自分の回線です。
一方の「googlezip.net」はGoogleのネットワーク上にあるサーバーです。ネットワーク情報サービスのNetifyでは、このホスト名はGoogleのネットワーク(AS15169)に属し、「Google Prefetch」という機能に関連付けられています。162.120.186.xxxや72.14.201.xxxなど、同じ形式のホスト名がいくつも確認できます。

2. 正体はChromeの「プライベートプリフェッチプロキシ」
googlezip.netのIPは、Chromeが検索結果のページを「先読み」するときに経由するGoogleの中継サーバーです。Googleはこれを「プライベートプリフェッチプロキシ(Private prefetch proxy)」と呼び、Chromeの公式ドキュメントで仕組みを公開しています。
仕組みの流れ
- Chromeでグーグル検索をする
- Chromeが「クリックされそうな検索結果」を予測し、クリック前に裏で読み込んでおく
- この先読みは、Googleの中継サーバー(googlezip.net)を経由して行われる
- 実際にクリックすると、先読み済みのページが一瞬で表示される
中継サーバーを通すのは、クリックする前のサイトに自分のIPアドレスを知られないようにするためです。先読みしたページを実際には開かないこともあります。そのサイトに「訪問した」と記録されないよう、Googleのサーバーが代わりにアクセスしているわけです。
先読みはリンクをクリックする前にバックグラウンドで静かに行われるため、ユーザーが気づくことはほとんどありません。今回のようにIPアドレスを調べたときに初めて目に入ることになります。

3. EdgeでソフトバンクのIPだけが出たのは、この仕組みがないから
同じパソコン・同じ回線でMicrosoft Edgeから確認すると、表示されたのは「126.109.xxx.xxx(softbank〜.bbtec.net)」だけでした。
Googleの中継サーバーを使った先読みはChrome独自の機能なので、EdgeではソフトバンクのIPがそのまま表示されます。ブラウザによって結果が変わったこと自体が、回線ではなくChromeの機能が原因だという裏付けになります。
ChromeでGoogleのIPが表示されたのは、IP確認サイトを検索結果から開いたためと考えられます。Chromeがそのページを中継サーバー経由で先読みしていたため、ページ上には「中継サーバーから見たIP」が表示された、というわけです。

4. ウイルスやのぞき見ではないので、心配はいらない
見慣れないIPが表示されても、ウイルスに感染しているわけでも、どこかで通信内容をのぞかれているわけでもありません。理由は次の3つです。
心配しなくてよい理由
- 中継しているのはGoogle自身:中継先はGoogleのネットワーク上のサーバーで、Chromeの公式機能として仕様が公開されている
- 通信の中身は暗号化されたまま:中継サーバーは通信を素通しする方式(CONNECTプロキシ)のため、HTTPSのページの中身は暗号化されたまま届く
- 使われるのは先読みの通信だけ:実際にページを開いて閲覧する通信は、これまでどおりソフトバンク光の回線から直接つながる
ウイルスや不正なソフトが通信を横取りしている場合は、Googleのサーバーを名乗るホスト名にはまずなりません。中継先が「googlezip.net」でGoogleのネットワークに属している時点で、Chromeの機能だと判断して問題ありません。
ただし、まったく気にならないかというと人それぞれです。先読みされたページは開く前からサーバーと通信するため、プライバシーの観点では賛否もあります。気になる方は、次の章の設定でオフにできます。

5. 本当のIPは再読み込みで確認でき、気になるなら設定でオフにできる
自分の本当のIPを確認する方法
Chromeで自分のIPを確かめたいときは、IP確認サイトを開いたあとに再読み込み(F5)します。アドレスバーにURLを直接入力して開いても同じです。先読みを経由しないため、ソフトバンク光のIP(bbtec.net)が表示されます。
確認の手順
- ChromeでIP確認サイトを開く
- 表示がgooglezip.netなら、F5キーで再読み込みする
- 「softbank〜.bbtec.net」が表示されればOK
- 念のため、Edgeなど別のブラウザでも同じ表示か確かめる
先読み機能を止めたい場合
Chromeの「ページをプリロードする」をオフにすれば、Googleの中継サーバーを使った先読みは行われなくなります。Chromeの公式ドキュメントでも、この中継の仕組みはプリロードを無効にしていないユーザーが対象だと説明されています。
設定の場所
- Chrome右上の「︙」から「設定」を開く
- 左メニューの「パフォーマンス」を選ぶ
- 「ページをプリロードする」をオフにする
オフにすると、検索結果からページを開くときの表示が少し遅くなる場合があります。不安がなければ、オンのままでも問題ありません。

6. サイト運営者はアクセスログとIP除外設定に注意する
サイトを運営している方は、Googleの中継サーバーからのアクセスがログに残ることを知っておくと混乱しません。検索結果から先読みされると、サーバーのアクセスログには利用者のIPではなく、googlezip.netのIPが記録されます。
GA4の内部トラフィック除外やGoogle広告のIP除外には、ソフトバンク光側のIPを登録します。googlezip.netのIPはGoogleの共用サーバーで、ほかの大勢の利用者の先読みにも使われているため、除外リストに入れる対象ではありません。
光回線のIPアドレスは、ルーターの再起動などで変わることがあります。除外設定がいつの間にか効かなくなっていないか、ときどき確認するようにしましょう。

よくある質問
Q. ソフトバンク光が勝手にGoogleの回線を使っているのですか?
いいえ。ソフトバンク光やプロバイダの設定ではなく、ブラウザ(Chrome)の機能です。回線は1本のままで、Chromeの先読み通信だけがGoogleのサーバーを経由しています。
Q. スマホのChromeでも同じことが起きますか?
Googleの説明では、Chromeがグーグル検索の結果ページなどのリンクを先読みする機能とされており、スマホ版のChromeでも同様の表示になることがあります。同じくChromeの設定からプリロードをオフにできます。
Q. googlezip.netのIPを見かけたら、ウイルス対策ソフトでスキャンすべきですか?
このIPが表示されたこと自体は感染の兆候ではありません。ただし、ほかに不審な動作(勝手に広告が出る、身に覚えのないソフトがあるなど)があれば、それは別の問題としてスキャンしてください。
Q. VPNとは違うのですか?
違います。VPNはすべての通信を別のサーバー経由にしますが、この仕組みは先読みの通信だけが対象です。普段の閲覧はソフトバンク光から直接つながっています。
まとめ
まとめ
- 162.120.184.20(〜.fetch.tunnel.googlezip.net)はGoogleの中継サーバーで、ソフトバンク光の回線ではない
- Chromeが検索結果を先読みするとき、自分のIPを隠すためにこのサーバーを経由する
- Edgeでは使われない仕組みなので、ソフトバンク光のIPだけが表示される
- ウイルスやのぞき見ではなく、通信の中身も暗号化されたまま
- 本当のIPは再読み込みで確認でき、気になるなら「ページをプリロードする」をオフにできる
見慣れないIPやホスト名が出てくると、つい「何か入り込んだのでは」と身構えてしまいます。ホスト名の末尾(ドメイン)を見れば、誰のサーバーかはたいてい見当がつきます。慌てる前に、まずはドメインとブラウザの違いを確かめてみてください。

参考リンク
- Chrome for Developers:Private prefetch proxy in Chrome for network administrators
- Netify:tunnel.googlezip.net
- Malwarebytes:Chrome のプリロード機能がデータを漏洩させ、Browser Guardで問題を引き起こす可能性があります(2026年2月)
※ 記事中の事例は、2026年10月に私がソフトバンク光の環境で確認したものです。自宅回線のIPアドレスは安全のため一部を伏せています。
※ 「EdgeではGoogleの中継サーバーを使った先読みが行われない」「IP確認サイトを検索結果から開いたため中継サーバーのIPが表示された」という点は、実際の表示結果とChromeの公式仕様からの推測です。
※ Chromeの設定項目の名称や場所は、バージョンによって変わる場合があります。