AI導入・活用支援

Claudeアーティファクトの作り方|出力先の選び方と直し方

「Claudeにバナーを作らせたいけれど、どこに頼めばいいのか分からない」「作ってみたけれど、直し方を間違えて別のものまで作られてしまった」——生成AIで資料を作るとき、つまずくのはAIの性能より「頼み方」のほうです。 私も中小企業さんのAI導入支援の中で、資料づくりの下書きはClaudeのアーティファクトに任せる場面が増えています。押さえるべきことは実質2つです。出力先(Docs・Slides・Designなど)を選ぶこと。そして修正を「さっきの○○を直して」と一言で伝えること。この2つで、作り直しの手間は目に見えて減ります。 今回は、Claudeのアーティファクトで資料やバナーを作るときの「頼み方」と「直し方」を、そのまま使える文例つきで整理します。広告入稿に必要な画像サイズの早見表と、依頼前のチェックリストも付けておきます。

この記事でわかること

  • アーティファクトの出力先(Docs・Slides・Designなど)の選び方
  • 1回目の頼み方。おまかせと詳細指定の使い分け
  • バナー・提案スライド・月次レポートなど、用途別の文例
  • 修正を伝えるときの言い方と、上書き・新しい版の分かれ目
  • Google広告・Meta広告・LINE広告の画像サイズ早見表
  • 人に渡す前に確認しておくチェックリスト

先に結論

  • どこに作るかは「出力先」で決める。文書はDocs、スライドはSlides、バナーや画像はDesign
  • 1回目は「何に使うか」「誰向けか」だけ伝えておまかせで作らせ、細かい指定は2回目からでいい
  • 直すときは新しく作らず「さっきの○○を直して」。毎月の資料は「新しい月の版として」作らせる
要は、最初から完璧な指示書を目指さず「ざっくり作らせて、感想で直す」のが基本ライン、ということですね。


1. Claudeアーティファクトで作れるものと出力先の選び方

アーティファクトは、Claudeとの会話の中で作られる「チャットの返答とは別の、独立した成果物」のことです。文書やスライド、画像、図表、ダッシュボード、小さなツールまで作れます(出典:Claude ヘルプセンター)。何を頼むかを工夫するより先に、どこに作らせるかを決めるのが最初の一歩です。

作りたいもの出力先頼み方の例
質問の答え・ちょっとした説明チャット「チャットで答えて」
報告書・提案書・マニュアル・議事録Docs「Docsで提案書を作って」
プレゼン・セミナー資料Slides「Slidesで10枚くらいの資料を」
バナー・LP案・チラシ・SNS画像Design「Designでバナーを作って」
KPI推移・定期レポートのグラフDashboard「Dashboardで月次の数字をまとめて」
色・フォントなどのブランドルールDesign System「○○社のブランドをDesign Systemに登録して」
シミュレーター・診断ツールHTMLページ「予算シミュレーターを作って」
毎回同じ作り方をさせたい手順Skill「この作り方をSkillにして」

作ったものは形式を変えて持ち出せます。DocsはWord・PDF・Markdown・Googleドキュメントに、SlidesはPowerPoint・PDF・Googleスライドに、Designは画像・PDF・PowerPoint・HTMLなどに書き出し可能です。納品や共有のときに覚えておくと便利です。

補足:Dashboardはベータ版・有料プラン

Dashboardはベータ機能です(出典:Claude ヘルプセンター)。KPIの推移や定期レポートのグラフを継続的に作るなら有力な候補ですが、提供条件は変わる段階にあります。詳しいプラン要件は公式ヘルプで最新を確認してください。
まず「何を作るか」から「どの出力先か」を選ぶのが、最初の1問ですね。


2. 頼み方の基本形。1回目はおまかせで作らせる

細かい指示書を最初から作る必要はありません。次の4ステップで回します。

  1. おまかせで1回作らせる(「何に使うか」と「誰向けか」だけ伝える)
  2. 出てきたものにざっくり感想を言う(「もっと明るく」「文字が多い」など)
  3. 文字の差し替えなど細かい所は自分で直接直す(頼むより早い)
  4. 気に入った方針は保存する(「この方針を覚えておいて」→ 次回のひな形やSkillに)

ダメ出しの積み重ねが、そのまま次回の指示書になります。完璧なプロンプトを書こうとするより、このサイクルを回すほうが早く自分の型ができます。

おまかせ版(最初はこれで十分)

Designで、[会社名]の[商品・サービス]のバナーを、
[媒体名]用の主要サイズで作ってください。

詳しく指定版(2回目以降や、条件が決まっているとき)

[Docs/Slides/Design]で、[作るもの]を作ってください。

【目的】何のために使うか(例:問い合わせを増やしたい)
【ターゲット】誰に向けるか(例:広島の中小企業の経営者、AI未経験)
【サイズ・分量】例:4サイズ/10枚程度/A4で2ページ
【必ず入れる内容】キャッチ、社名、連絡先、資格表記 など
【デザイン】色・雰囲気・使わないもの(例:グラデーションと絵文字は使わない)
【素材】添付するロゴ・写真(ないものはClaudeは描けない)
【その他】例:2案並べて比較したい

伝えると効果が大きい順

  1. 目的(何のため)
  2. ターゲット(誰向け)
  3. 必ず入れる文言・数字
  4. サイズ・分量
  5. デザインの好み(なければおまかせでOK)

仕組み:なぜ「目的→ターゲット」を先に伝えるのか

生成AIは「何を入れるか」より「何のためのものか」で取捨選択の軸を決めます。目的とターゲットが先にあると、色・言葉・分量の判断がブレにくくなり、2回目以降の修正も「もう少し明るく」のような短い感想だけで済むようになります。
完璧な指示書より「目的とターゲットの2行」のほうが、結果として速いということですね。


3. 用途別レシピ。そのまま使える頼み方の文例

よく頼むものだけ文例を残しておきます。括弧の中身を差し替えて使ってください。

3-1. Web広告バナー(Design)

Designで、[サービス名]のバナーを作ってください。
目的:[例:無料相談の申し込みを増やす]
ターゲット:[例:50〜60代の経営者]
サイズ:1200×628、1080×1080、300×250、728×90 を並べて
キャッチ案は2パターン作って比較できるようにしてください。
  • コピーが未定なら「キャッチ案を3つ考えてから作って」
  • ロゴ・写真は添付する(Claudeは写真やイラストそのものは描けない)
  • 色違いは「アクセント色を切り替えられるようにして」と頼むと、ワンクリックで比較できる

3-2. 提案スライド(Slides)

Slidesで、[クライアント名]向けの[提案内容]の提案資料を作ってください。
相手:[例:社長と事務担当の2名、ITは苦手]
枚数:10枚程度
構成:現状の課題 → 提案内容 → 費用 → スケジュール → 期待できる効果
添付した[ヒアリングメモ/資料]をもとにしてください。
  • 費用・数字は「[ ]」の仮置きで作らせ、最後に自分で埋めると安全
  • 納品はPowerPointに書き出して渡す

3-3. 月次広告レポート(Docs または Dashboard)

添付の[Google広告のCSV]をもとに、[クライアント名]の[○月]の月次レポートを作ってください。
先月のレポートと同じ構成で、新しい月の版として作ってください。
含める内容:主要指標(表示・クリック・CV・CPA)、前月比、良かった点、改善策
  • 数字は必ず元データと照合する
  • 毎月同じ構成にしたいなら、構成をSkill化する

注意:月次資料は「上書き」で頼まない

「上書きして」と頼むと前月の版が残らず、先月との比較のたびに作り直すことになります。「先月のレポートと同じ構成で、新しい月の版として」と伝えるのが安全です。

3-4. セミナー・説明会資料(Slides)

Slidesで、[テーマ]のセミナー資料を作ってください。
対象:[例:商工会議所の会員企業、生成AI初心者]
時間:[例:60分]
最後にまとめと連絡先のスライドを入れてください。
各スライドに話す内容(スピーカーノート)も付けてください。

3-5. ブログ用の図解・アイキャッチ(Design)

Designで、ブログ記事「[タイトル]」のアイキャッチ画像を1200×628で作ってください。
記事の要点:[3行程度]
文字は少なめで、スマホでも読める大きさにしてください。

3-6. ちょっとしたツール(HTMLページ)

[例:Google広告の予算シミュレーター]を作ってください。
入力:月額予算、想定クリック単価、想定CV率
出力:想定クリック数、想定CV数、想定CPA
クライアントにリンクで見せられるようにしてください。

文例が固まってきたら、次の段階は「社員が同じ型で回せるようにする」ことです。AIツールの選定から社内研修まで踏み込むなら、生成AI導入アドバイザーの支援内容をまとめた記事もどうぞ。

文例を1つ持っておくだけで、頼むたびに書き方を考える時間がなくなりますね。

4. 直し方。伝え方の文例と、作ったものの扱い方

修正は大きく分けて2種類です。誤字や電話番号のような細かい差し替えは自分で直接直すほうが早く、雰囲気や構成の直しは言い方で伝えます。よく使う言い方をまとめました。

区分言いたいこと言い方の例
雰囲気・デザイン堅すぎる「もう少し親しみやすく」
安っぽい「もっと信頼感のある落ち着いた雰囲気に」
地味「アクセント色を強めて、メリハリをつけて」
ごちゃごちゃ「文字を半分に減らして、余白を増やして」
読みにくい「スマホで見ても読める文字の大きさに」
色を変えたい「白背景版も横に並べて」「紺を緑系に変えて」
比較したい「別案を2つ並べて」
文章・中身長い「各項目を1行に縮めて」
専門的すぎる「ITが苦手な人にも分かる言葉に」
押しが弱い「行動を促す言葉で締めて」
根拠がほしい「数字や事例を入れて。出典も付けて」
誇張が心配「事実だけで、言い過ぎない表現に」
構成・展開順番を変えたい「費用のスライドを最後に移して」
足したい「最後に連絡先のスライドを追加して」
サイズ展開「同じデザインで縦長(1080×1920)も作って」
別媒体へ「このスライドの内容でブログ記事も書いて」

重要な分岐点:上書きか、新しい版か

直したものが「さっきのもの」でいいかどうかが分かれ目です。手直しなら「さっきの○○を直して」で同じものが更新され、別のチャットから直すときはそのアーティファクトのリンクを貼れば更新できます。毎年・毎月の資料は「新しい版として作って」と伝えて、前の版を残します。
作ったアーティファクトは、次のルールで扱えば混乱しません。

  • 直すときは「さっきの○○を直して」——新しく作らず、同じものが更新される
  • 別のチャットから直すときはリンクを貼る——そのアーティファクトを更新できる
  • 毎年・毎月の資料は「新しい版として作って」——上書きすると前の版が残らない
  • 余計に増やしたくないときは「チャットで答えて」と添える
  • 作ったものはすべてサイドバーの Artifactsタブ に保存される
  • よく使うものはピン留め、不要なものは削除(削除すると共有リンクも使えなくなる)
  • 作成時はすべて非公開。人に見せるときは画面の共有メニューから共有する

同じ品質を繰り返したいときは、作業手順のほうを Skill に保存します。Skillとアーティファクトの使い分けは次のとおりです。

 Skillアーティファクト
何かClaudeへの作業手順書Claudeが作った成果物
使う場面毎回同じ作り方・品質にしたい作ったものを保存・修正・共有したい
例「一定の形式で記事を書く手順」書き上がった記事、提案スライド
「更新」か「新規」かを伝え分けるのが、資料の消し忘れも増殖も防ぐコツですね。

5. 広告媒体の画像サイズ早見表

バナーを広告に入稿するときのサイズ一覧です。Designに頼むときの「サイズ:」に、そのまま書き込めます。

Google 広告:レスポンシブ ディスプレイ広告

種類比率推奨サイズ最小サイズ
横長画像1.91:11,200×628600×314
スクエア画像1:11,200×1,200300×300
横長ロゴ4:11,200×300512×128
スクエアロゴ1:11,200×1,200128×128

ファイルサイズの上限は5,120KBです。出典:Google 広告ヘルプ「レスポンシブ ディスプレイ広告を作成する」。

Google 広告:アップロード型ディスプレイ広告(イメージ広告)

分類サイズ
正方形・長方形200×200、240×400、250×250、250×360、300×250、336×280、580×400
縦長120×600、160×600、300×600、300×1,050
横長468×60、728×90、930×180、970×90、970×250、980×120
モバイル300×50、320×50、320×100

形式はGIF・JPG・PNG、ファイルサイズの上限は150KBです。出典:Google 広告ヘルプ「アップロード型ディスプレイ広告の仕様」。太字は特に使用頻度が高いサイズですが、一般的な傾向の目安で、公式の分類ではありません。

Meta 広告(Facebook・Instagram)

配置比率サイズ
フィード1:11,080×1,080
フィード4:51,080×1,350
ストーリーズ・リール9:161,080×1,920
リンク付き画像1.91:11,200×628

この表はMeta公式ではなく、広告代理店の解説記事(sienca、2026年6月更新)をもとにしています。入稿前にMeta公式の広告ガイドで確認してください。

LINE広告(静止画)

サイズ備考
1,200×628通常の画像
1,080×1,080通常の画像。カルーセルはこのサイズのみ
600×400通常の画像

形式はJPG・PNG、ファイルサイズの上限は10MBです。出典:LINEヤフー for Business「LINE広告 入稿規定」。

注意:サイズは改定されることがある

広告サイズとファイル上限は改定されることがあります。上の表は2026年10月17日時点で各公式ページで確認した情報です。入稿のたびに、各媒体の公式規定で再確認してください。
サイズ指定は頼む側の準備ですね。この表をコピーしてプロンプトに貼ればOKです。


6. 使う前のチェックリスト

人に渡す・出すものを作らせる前に、次を確認します。

  • 数字(料金・実績・広告データ)を元データや公式情報と照合した
  • 「無料」「No.1」など、事実確認が必要な表現が入っていない
  • 社名・資格名・連絡先が正式名称どおり
  • 料金や制度など変わりやすい情報には確認日を入れた
  • ロゴ・写真は使用権のあるものを使っている
  • 個人情報や社外秘の情報を入力していない
  • 人に見せる場合、共有設定をした(作成時は非公開)
最後の一行目は数字の照合、最後の二行目は入力情報の管理です。ここだけは他の工程より厳しく見ます。

Dashboard は無料プランでも使えますか?

ベータ機能として提供されており、2026年10月時点の情報では有料プラン向けの機能です。ベータ期間中は提供条件が変わるため、正式な要件はClaudeのヘルプセンターで最新を確認してください。

ロゴや商品写真もClaudeに作ってもらえますか?

写真やイラストそのものは描けないので、実在のロゴ・写真は使うものを添付します。添付した素材に合わせて、レイアウトや文字まわりを作ってもらうのが正しい頼み方です。

作った資料を社外の人に渡すには?

納品用のファイルにするなら、DocsはWord・PDF・Googleドキュメント、SlidesはPowerPoint・PDF・Googleスライド、Designは画像・PDFなどに書き出します。画面のまま見せるなら、共有メニューから共有リンクを出します(作成時は非公開です)。

まとめ

  • 出力先は「Docs=文書・Slides=スライド・Design=画像」など用途で選ぶ
  • 1回目は目的とターゲットだけ伝えておまかせ。細かい直しは自分で直接直す
  • 毎月の資料は「新しい版」として作らせ、サイズ類は入稿前に公式規定で再確認
やることはシンプルです。出力先を選ぶ、目的とターゲットを伝えて1回作らせる、感想で直す、気に入った方針は保存する。この4ステップを回し始めれば、資料づくりの「頼み方」は2〜3回で自分の型になります。
蓄積したダメ出しが、そのまま自分専用の指示書になります。

参考リンク

※広告サイズ・ファイル形式の上限は、2026年10月17日時点で各公式ページで確認した情報です。Meta広告のサイズ表は広告代理店の解説記事をもとにしており、公式規定ではありません。Dashboardの提供条件はベータ機能のため変更される可能性があります。

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