補助金・助成金

【2026年10月】AI導入・AI研修に使える国の補助金・助成金12選

2026年10月1日

「AIツールを入れたいけれど、費用の一部を国が出してくれる制度はないのか」「社員にAI研修を受けさせたいが、助成金は使えるのか」。中小企業の経営者の方から、こうしたご相談をいただく機会が今年はとても増えました。 2026年度(令和8年度)は、IT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金」に名前を変え、ものづくり補助金と新事業進出補助金が統合されるなど、制度の顔ぶれが大きく入れ替わった年です。古い名称のまま情報を探すと、すでに終わった制度にたどり着いてしまうこともあります。 そこで今回は令和8年度の半分を経過したタイミングで、2026年度にAIツールの導入やAI社員研修に使える国の補助金・助成金を12制度に絞り込み、名称・概要・管轄の省庁・公式の説明ページをまとめました。締切日は回ごとに変わるため、ここでは扱っていません。申請を考える際は、必ずリンク先の公式ページで最新の公募情報を確認してください。

2026年度AIで使える補助金、助成金

この記事でわかること

  • 2026年度にAI導入・AI研修で使える国の制度12件の全体像
  • 各制度の概要と、補助率・上限額の目安
  • 経済産業省(中小企業庁)と厚生労働省、どちらの管轄か
  • 公式の説明ページへのリンク
  • 2026年8月の改正で「対象外」になったAI研修のタイプ
  • ツール導入と研修を組み合わせるときの考え方

先に結論

  • AIツールの導入は「デジタル化・AI導入補助金」が本命。導入研修や活用支援の費用も対象に含められます
  • AI社員研修は人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」が本命。ただし汎用的なAI入門研修は2026年8月から対象外になりました
  • リスキリング系の助成コースは2026年度が最終年度の見込み。使うなら今年度中に計画を立てるのが有利です
ツールは経産省の補助金、研修は厚労省の助成金。まずこの2本を軸に考えると迷いません。


1. 2026年度に使える12制度の一覧表

まずは全体像です。「何に使うか」と「どの省庁の制度か」で整理しました。大まかに言うと、ツールや設備にお金を出すのが経済産業省(中小企業庁)の補助金、人や働き方にお金を出すのが厚生労働省の助成金という役割分担になっています。

No.制度名主な使い道管轄
1デジタル化・AI導入補助金AIツール・ITツールの導入経済産業省(中小企業庁)
2中小企業省力化投資補助金AIを含む省力化設備・システム経済産業省(中小企業庁)
3新事業進出・ものづくり商業サービス補助金AIを使った新製品・新事業の開発経済産業省(中小企業庁)
4小規模事業者持続化補助金販路開拓・業務効率化の一環としてのAI活用経済産業省(中小企業庁)
5中小企業成長加速化補助金売上100億円を目指す大型投資経済産業省(中小企業庁)
6業務改善助成金賃上げ+生産性向上の設備・システム厚生労働省
7働き方改革推進支援助成金労働時間短縮のための設備・研修厚生労働省
8人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)DX・AI関連の社員研修厚生労働省
9人材開発支援助成金(人への投資促進コース)デジタル人材育成・サブスク型研修厚生労働省
10人材開発支援助成金(人材育成支援コース)一般的な社員研修厚生労働省
11リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業個人のリスキリング講座受講経済産業省
12教育訓練給付制度個人の指定講座受講厚生労働省
会社がツールを買うなら1〜7、社員を育てるなら8〜10、個人で学ぶなら11・12、と覚えておけば十分です。

2. AIツールの導入に使える補助金(経済産業省・中小企業庁)

① デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)

中小企業・小規模事業者が、AIを含むITツール(ソフトウェア・クラウドサービス等)を導入する費用の一部を補助する制度です。2026年度からIT導入補助金の名称が変わり、AIツールの導入支援が明確に位置づけられました。

  • 管轄:経済産業省 中小企業庁
  • 概要:通常枠は補助率1/2(最低賃金近傍の事業者は2/3)、補助額は1〜3プロセスで5万〜150万円未満、4プロセス以上で150万〜450万円
  • ポイント:クラウド利用料は最大2年分が対象。導入コンサルティング、導入設定、マニュアル作成、導入研修、導入後の活用支援の費用も対象に含められます
  • 注意点:事務局に登録されたITツールのみが対象で、登録された「IT導入支援事業者」と一緒に申請します
  • 公式ページ:デジタル化・AI導入補助金2026 事務局ポータル/中小企業庁:公募要領の公開

② 中小企業省力化投資補助金

人手不足に悩む中小企業が、省力化につながる設備やシステムを導入する費用を補助する制度です。AIカメラや自動化システムなど、AIを組み込んだ設備投資で使われるケースが多くあります。

  • 管轄:経済産業省 中小企業庁(実施:中小企業基盤整備機構)
  • 概要:「一般型」は自社に合わせたオーダーメイドの省力化投資が対象で、補助上限は最大1億円、補助率は1/2〜2/3。「カタログ注文型」は登録された製品カタログから選んで導入する方式で、随時受付です
  • 注意点:一般型は単価50万円(税抜)以上の機械装置等の導入が必須のため、ソフトウェアだけの導入には向きません
  • 公式ページ:中小企業省力化投資補助金 事務局

③ 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

2026年度に「ものづくり補助金」と「中小企業新事業進出補助金」を統合して新設された補助金です。AIを活用した新製品・新サービスの開発や、新分野への進出に伴う設備・システム投資が対象になります。

  • 管轄:経済産業省 中小企業庁(実施:中小企業基盤整備機構)
  • 概要:「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3枠。補助上限は枠と従業員規模により異なり、最大7,000万円(賃上げ特例適用時は9,000万円)。革新的新製品・サービス枠の補助率は中小企業1/2、小規模事業者2/3
  • 公式ページ:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(中小機構)

④ 小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が、商工会・商工会議所の支援を受けながら作る経営計画にもとづいて、販路開拓や業務効率化に取り組む費用を補助する制度です。AIを使った集客や業務効率化を、販路開拓の取り組みの一部として計画に組み込む使い方が考えられます。

  • 管轄:経済産業省 中小企業庁(窓口:商工会・商工会議所)
  • 概要:補助上限は通常50万円で、インボイス特例・賃金引上げ特例を組み合わせると最大250万円。補助率は2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4)
  • 注意点:主目的は販路開拓です。AIツールの導入そのものが目的の計画は通りにくい傾向があります(私の実務上の感覚です)
  • 公式ページ:小規模事業者持続化補助金〈一般型〉商工会議所地区 事務局(商工会地区の事業者は、地元の商工会にお問い合わせください)

⑤ 中小企業成長加速化補助金

売上高100億円を目指す中小企業が行う、大胆な設備投資を支援する補助金です。AIを含む大規模なシステム投資も対象になり得ますが、規模の大きい企業向けの制度です。

クラウド型のAIツールなら①、AIを組み込んだ機械や設備なら②、AIで新しい商品やサービスをつくるなら③が候補です。

2027年度は制度がさらに再編される見込み

2027年度は、デジタル化・AI導入補助金と省力化投資補助金を「省力化・デジタル化・AI投資補助金」へ再編する方針が示されています。ただし現時点では概算要求の段階で、補助率や上限額は明らかになっていません。


3. 賃上げ・働き方改革とセットでAIツールに使える助成金(厚生労働省)

厚生労働省の助成金の中にも、条件を満たせばシステムやソフトウェアの導入費に使えるものがあります。「賃上げ」や「労働時間の短縮」とセットで取り組むのが前提です。

⑥ 業務改善助成金

事業場内で最も低い時給(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げ、あわせて生産性向上のための設備投資等を行った場合に、その費用の一部を助成する制度です。

  • 管轄:厚生労働省(窓口:都道府県労働局)
  • 概要:助成上限は最大600万円、助成率は引上げ前の事業場内最低賃金に応じて4/5または3/4。2026年度は50円・70円・90円の3コースに再編されました
  • ポイント:対象経費は「生産性向上・労働能率の増進に資する設備投資等」で、機械設備のほか、システム導入やコンサルティングも含まれます。AIを使った業務効率化も、生産性向上との関係を説明できれば候補になります
  • 注意点:申請期限は「地域別最低賃金の発効日の前日」までのため、都道府県によって期限が早く来ます
  • 公式ページ:厚生労働省:業務改善助成金

⑦ 働き方改革推進支援助成金

労働時間の短縮や年次有給休暇の取得促進などに取り組む中小企業に、設備導入や研修の費用を助成する制度です。業務をAIで効率化して残業を減らす、といった取り組みと相性があります。

賃上げや残業削減をもともと予定している会社なら、厚労省の助成金でもAIツールの費用をまかなえる可能性があります。

4. AI社員研修に使える助成金(厚生労働省)

社員向けのAI研修には、厚生労働省の「人材開発支援助成金」を使います。目的に応じていくつかのコースに分かれており、AI研修で主に候補になるのは次の3コースです。

⑧ 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)

新規事業の立ち上げやDX・GX化に伴って、社員に新しい知識やスキルを習得させる訓練を行った場合に、訓練経費と訓練中の賃金の一部を助成するコースです。AI研修で最も使われているコースです。

  • 管轄:厚生労働省(窓口:都道府県労働局)
  • 概要:中小企業の場合、経費助成率75%、賃金助成は1人1時間あたり1,000円
  • 2026年度の新設:研修で習得したスキルを使うための機器・設備を導入した場合に、導入費用の50%を上乗せする「設備投資加算」が新設されました
  • 期限:2026年度(2027年3月末)までの期間限定コースです
  • 公式ページ:厚生労働省:人材開発支援助成金

2026年8月3日の改正で対象外になったAI研修

2026年8月3日以降に提出する計画届から、DX・GX化に関する訓練であっても、汎用的な内容や概念の理解にとどまる訓練は対象外になりました。次のような研修は助成を受けられない可能性があります。

  • 生成AIとは何かを広く学ぶだけの研修
  • 全社員向けの一般的なAIリテラシー研修
  • 汎用的なプロンプト作成方法が中心の研修

また、受講回数は1人あたり1年度3回まで、そのうちeラーニングは1回までに制限されました。研修は「受講者の具体的な職務でAIをどう使うか」まで踏み込んだ内容で設計する必要があります。

⑨ 人材開発支援助成金(人への投資促進コース)

デジタル人材の育成、社員の自発的な学び直し、サブスクリプション型のeラーニングなど、柔軟な形態の訓練を支援するコースです。

  • 管轄:厚生労働省(窓口:都道府県労働局)
  • 概要:高度デジタル人材訓練は経費の75%、定額制(サブスク型)訓練は経費の60%を助成(定額制訓練の助成率は資料により45%との記載もあるため、申請前に最新パンフレットで確認してください)
  • 期限:2022〜2026年度の5年間の期間限定で、2026年度が最終年度となる見込みです
  • 公式ページ:厚生労働省:人材開発支援助成金

⑩ 人材開発支援助成金(人材育成支援コース)

職務に関連した知識・技能を習得させるための10時間以上の研修(業務から離れて行うOFF-JT)を対象とする、期間限定ではない基本のコースです。⑧の要件に合わないAI研修の受け皿として検討できます。

  • 管轄:厚生労働省(窓口:都道府県労働局)
  • 概要:中小企業の経費助成率は45%(非正規雇用の社員向けは70%)、賃金助成は1人1時間あたり800円
  • 公式ページ:厚生労働省:人材開発支援助成金
AI研修で助成金を使うなら、「誰が、どの業務で、何にAIを使えるようになるか」を研修の中身に書き込むことが前提になりました。

5. 個人のAIリスキリングを支援する制度

会社ではなく、働く個人が自分でAIやデジタルスキルを学ぶ場合に使える制度もあります。会社の研修制度とは別物ですが、社員への案内用として知っておくと便利です。

⑪ リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業

国が採択した民間の補助事業者(スクール・人材会社など)を通じて、在職者がキャリア相談、リスキリング講座の受講、転職支援を一体的に受けられる事業です。

⑫ 教育訓練給付制度

雇用保険の被保険者などが、厚生労働大臣の指定を受けた講座を受講・修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。デジタル分野の講座も多く指定されています。

  • 管轄:厚生労働省(窓口:ハローワーク)
  • 概要:講座の種類により給付率が異なり、最も手厚い区分では最大8割まで給付されます
  • 公式ページ:厚生労働省:教育訓練給付制度

6. どれを選ぶ?目的別の組み合わせ方

12制度を並べると迷いますが、実際に中小企業が検討する組み合わせはそれほど多くありません。私がご相談を受けるときは、次の順で整理しています。

やりたいことまず検討する制度あわせて検討
AIチャットボットや業務効率化ツールを入れたい① デジタル化・AI導入補助金⑥ 業務改善助成金(賃上げ予定がある場合)
社員がAIを業務で使えるよう研修したい⑧ 事業展開等リスキリング支援コース⑩ 人材育成支援コース
AIを組み込んだ機械・設備で人手不足を解消したい② 省力化投資補助金⑦ 働き方改革推進支援助成金
AIを使った新サービスを開発したい③ 新事業進出・ものづくり補助金⑧ 事業展開等リスキリング支援コース
小規模事業者でAIを集客に使いたい④ 持続化補助金① デジタル化・AI導入補助金

ツールの導入(経産省の補助金)と、それを使いこなす研修(厚労省の助成金)は、制度が別なので組み合わせて使えます。ただし、同じ経費を2つの制度に重ねて申請することはできません。⑧の設備投資加算と①の補助金を両方使う場合などは、どの経費をどちらで申請するかを最初に切り分けておきましょう。

「ツールを入れる」と「使える人を育てる」を別々の制度で支えてもらう。これが今年度いちばん無駄のない使い方です。

7. よくある質問

Q. ChatGPTなどの生成AIサービスの利用料は補助の対象になりますか?

デジタル化・AI導入補助金の場合、対象は事務局に登録されたITツールに限られます。利用したいサービスが登録されているかどうかを、事務局ポータルの「ITツール検索」で確認してください。登録されていない汎用サービスの利用料は対象外です。

Q. 全社員向けの「生成AI入門研修」に助成金は使えますか?

2026年8月3日以降に計画届を出す場合、事業展開等リスキリング支援コースでは、汎用的なAIリテラシー研修は対象外になる可能性が高いです。受講者の職務に直結したカリキュラムに作り直すか、人材育成支援コースの要件に合うかを検討してください。

Q. 補助金と助成金は何が違いますか?

一般的に、経済産業省系の「補助金」は審査があり、申請しても採択されない場合があります。厚生労働省系の「助成金」は要件を満たせば原則として支給されますが、予算の上限に達すると受付が早めに締め切られることがあります。

Q. 自治体(県・市町村)の補助金も使えますか?

都道府県や市町村が独自に設けているIT・DX関連の補助金もあります。今回は国の制度に絞っているため、お住まいの地域の制度は自治体や商工会議所のサイトで確認してください。国の制度と併用できるかどうかは、制度ごとのルールによります。

Q. 申請はどこに相談すればよいですか?

経産省系の補助金は各事務局のコールセンターや、商工会・商工会議所、よろず支援拠点が窓口になります。厚労省系の助成金は都道府県労働局が窓口で、社会保険労務士に申請代行を依頼することもできます。


8. まとめ

まとめ

  • 2026年度にAI導入・AI研修で使える国の制度は、経産省(中小企業庁)系と厚労省系をあわせて12制度
  • AIツールの導入は「デジタル化・AI導入補助金」、AI研修は「事業展開等リスキリング支援コース」が中心
  • 汎用的なAI入門研修は、2026年8月の改正で助成の対象外になった
  • リスキリング系の助成コースは2026年度が最終年度の見込みで、2027年度は補助金の再編も予定されている
  • ツール(補助金)と研修(助成金)は組み合わせられるが、同じ経費の二重申請はできない
制度の名前が変わり、AIの位置づけがはっきりした2026年度は、AI導入にかかる費用を抑えるには良いタイミングです。まずは「何のツールを入れ、誰がどの業務で使うのか」を一枚の計画にまとめてみてください。そこが決まれば、使える制度は自然と絞り込めます。
制度選びに迷ったら、先に「AIで何を楽にしたいか」を決めること。そこから逆算すれば、申請する制度は1〜2本に絞れます。

参考リンク

※2026年10月1日時点の情報です。補助率・上限額は代表的な枠・中小企業の場合の数値で、枠や企業規模、特例の適用により異なります。
※各制度の数値は公式資料のほか、補助金ポータル等の解説記事を参照しています。人への投資促進コースの定額制訓練の助成率は資料によって60%と45%の記載が混在しているため、最新のパンフレットで確認してください。
※「AIツールの導入そのものが目的の計画は持続化補助金で通りにくい」「業務改善助成金でAIを使った業務効率化が候補になる」は、私の実務経験にもとづく見立てで、採択や支給を保証するものではありません。
※2027年度の制度再編は概算要求段階の情報で、確定したものではありません。

サイト内検索

-補助金・助成金